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2016年 06月 03日
総会ウィークは終了。もう次に踏み出さないと。
▲山田代表理事の挨拶からスタート ▲伊礼さんの基調講演 SAREXのメンバーズサミットでの伊礼智さんの基調講演は、既に用意されていたPPTを急遽変更。昨晩まで作っていたというPPTに。 しかし「2020年に僕はどんな住宅を設計しているだろう」という主題には存分に答えてくれるものであった。 いま、ここにいることの心地よさ、かけがいのない一時を感じうる、その住まい手、暮らしの変化を甘受していける空間を作り出すこと。 年々歳々の移ろいの中に「ここでよかった」を見いだしていける住まいをどのように表現するのか、言葉にできるのか。 伊礼さん的に言えば、性能の先の心地よさ。その空間の佇まいを住まい手は、どのような豊かさとして感じていくのか。 住まい手の価値感をどのように暗喩として空間を形成したのか、していける住まいなのか。これを取り敢えずは心地よさと彼は言う。 そこには、いろいろな様相が当然散りばめられており、その様相をこそ標準化していっていることがよく理解でき、これによって、現在家族への標準化による対応は完結していると言える。 次なる標準化の射程は「介護家族」(介護時期にもこの家に積極的に住むだろう世帯)となるが、既に伊礼さんにとっては実作的には既知の世界でもあるだろうが、ここに次なる心地よさをどのように標準化していくのかが私的には楽しみだ。 プロポーション、モジュールという名のメタファー。その言語を空間がどう紡いでいくのか、そしてそれがどのような工務店との協同によって生まれていくのか、ということを想像すると、2020年代の住宅のテーマの広がりが見えてくるように思えた。 終えて、懇親会。沈着なことを行動規範としていると思えるさつま虎が「私が理事として関わっていて、入会した時がピークで、後は右肩下がりとは何ごとぞ」と、檄を飛ばしてくる。全員右肩を挙げなきゃ、ということなのだが、花屋延夫には「ノベさん、右肩下がり放し」と身体チェックを受けるのであった。私は左利きなものだから、どうしても左肩上がりになってしまう。いかんですね。 ▲盛り上がった懇親会 ということで、ワインが何本も飛び交う懇親会。みなさんパワーありだ。 ここで、さつま虎が緊急動議。伊礼さんをSAREXの中で位置付けろ、と。で、アドバイザーというと「駄目。きちんとした日本語で」ということから、かなり覚悟をお願いすることとなる「特別顧問」ということで、あっと言う間に本人の前で議案は通過していった。 ということで伊礼さんよろしくお願いします。 〆は、手拍子ではなくSAREXメンバー増強という目標をさつま虎が高らかに打ち上げ、右腕を突き上げる「えいえいおー」と叫んで終了。 終えて分散二次会。KKRホテル12階はいつものラウンジ。〆の鶏スープのラーメンが楽しみ。 ここでジェームズとさつま虎が酔っ払いながら明日の対談(ということになっている)に触れる話を。あっ、いましてしまうと例え酔ったとしても、もう終わっちゃう話になりそう。明日のネタが消えていく、という感じ。 もう、みんな酔っぱらい集団と化す。 翌日、午前中の講義は、ヒルトップ博士と予てから議論し、未来住宅が堕落しているのではないか、といった問題意識からお願いしていた内容。 果せるかな、まるで伊礼さんの講演のエビデンスを示すかのようにヒルトップ博士は「未来住宅の現在マップ」として、それは示され、欠けているもの、埋めなければならないものの話は見事に伊礼さんの問題意識と結合していた。 ▲ヒルトップ博士のレクチャーからスタート 博士は、伊礼さんの「心地よさ」を取り敢えず4軸の一つの領域を「快適性」という言葉で表現したが、この「性能の先」にあるその言葉(つまりは実際の住まいと暮らし)を探す旅がいまから始まるのだな、と感じた。 そしてそれらはにわを媒介とした、そととの緩やかな繋がり、かつまちの環境構成要素の一つでもあり、マイクログリッドという小規模省エネ環境体としての群居計画まで含めて、ここで暮らすことの心地よさ(当然だが関係性も含めて)を改めて感じる場。 つまりは「居場所」(自分が自分でいていいことを確認できる場)というものはどのようなものであるのだろうか。そこに設計者そして工務店のスタイルと住まい手の英知はどのように反映されていくのか、といったことを考えさせられた。 ▲座談会だったはずが 終えて、山ちゃん、三代目、貴雄ちゃんという理事3人の掛け合いになるはずが、私のプランミスで、少し話が振れてしまった。大工の付加価値化というテーマと現場監督的行為について、もう少し深めることができたはずなのに。このメンツで手詰まり感をだしてしまったのは、私の進行ミス。 ヒルトップ博士の講義後の意見交換に時間を取られ結局3人の座談は1時間となり、12時15分に終了。 この会場近くの竹橋は食堂が少ない。どこも行列。ということで、KKRでカレーバイキング。 ▲対談が討議に さて、最後はジェームズ小林とさつま虎の対談と思いきや、ここでも私の進行は制御不能となり、対談のはずが、全員討議というか、現在の工務店の状況分析。全員参加型で、現在のZEH的なるものの状況やターゲット問題などが脈絡なく、ま、ネタとしてはいいのだが。 終盤久しぶりにロック魂。折角なので一言を。 しかし、既に3時は過ぎたので終了することに。 終えて、さつま虎、ロック魂、ヒルトップ博士と、まだ陽が高いのに生ビールスタート。 二人と別れて博士と神保町。兵六がすいていたので、ここでまたまたビール。さらに締めは、揚子江菜館という具合で酔どれで全てが終了。 皆さんお疲れ様でした。 #
by KNOBEX
| 2016-06-03 18:38
| 総会そしてワークショップ
2016年 04月 04日
SAREXメンバー4社(あすなろ建築工房、富士ソーラー、山田建設、吉田工務店)で構成される名匠家活動の一環として、4月3日は、創建舎大工8名との大工交流会。
楽しめつつも実践につながる交流会にしようということで、削ろう会的な技能交流となった。 創建舎の大工たちは揃いのユニフォームに身を包み、迫力あるメジャー集団という感じ。 一方、名匠家の大工たちも、鉋屑を薄く数ミクロンにする、ということに戸惑いを感じつつ、入念に研ぎをおこなってきたようであった。 私は、削ろう会的なものは、マニアの世界と思っていた。現代の大工の現場でこの数ミクロンの鉋屑を競うことに何程の意味があるのか、判断できずにいた。 しかし、それが腑に落ちた一日となった。 今回の大工交流会の内容を考えていた時、創建舎大工上井戸さんから、どうせなら実践的な交流をしたいという話があり、このような削ろう会的なものとなったが、彼らもよくそのことは分かっていて、しかし、それでも、こうした修練を積むことで、通常の現場での鉋使いも変わってくるのだ、ということであった。 ▲入念に研ぐ そして、削り台が4台用意され、それぞれの大工たちが、フィールドでキャッチボールを開始するかのように、削り木に鉋をかけ、刃の調整をはじめたりしていく。 そして、スタートという合図もなく、鉋屑が生まれてくる。 薄さのスコアーボードも用意される。 名匠家大工たちも、上井戸さんたちのコーチを受けて、あっ、そういことかという感じで、研ぎ、鉋かけをおこなっていく。そして徐々に力の入れ具合、刃の微調整等を行うことに熱中していくのが分かる。 用意された計測計で、15ミクロンとか.12ミクロンとかを計測して、大体の感じを共有して、それぞれの鉋掛け本番といった感じ。 削ろう会では3ミクロン以下の勝負と聞いて、名匠家大工たちは唖然。 スコアボードに12~15といった感じで書き込まれていくが、誰が審査するでもなく、計測をしてもらい再トライという感じ。一応3回のチャレンジということとなっているが、そんなことは無関係に皆集中。 競技会的にならないところがとてもいい。それではチーム戦になって、なかなか相互交流にはなりにくい。 それぞれの研ぎや、砥石や鉋台についての話に耽っている。 それは見ていてもいいものであった。 何度も削っていると、刃こぼれするので、研ぎに入る。するとその砥石を巡っての質疑応答的な会話がはじまる。 大田区という立地故に作業場を持たない創建舎の大工たちが、この削ろう会競技にのめり込んできているのが、面白い。 名匠家の4社は何れも下小屋がある。 中でも今回会場となった山田建設の作業場は、創建舎の大工たちから見れば垂涎の的であったろう。 最終的に本日の鉋屑の最薄記録5ミクロン。この鉋屑はきれいに木幅、長さ通りに薄絹のような触り心地。官能的ともいえるものであった。 これは、のめり込んじゃうな。 やはり、大工としてのアイデンティティを求める行為の一つと考えられるが(削ろう会は必ずしも大工とは限らない)、手道具に対する愛着、探求という大工としての姿勢は、顧客にもその真摯な姿が、見えていくだろうな、と感じた。 12時30分過ぎにはじめ、気付けば、シェフ大沢を筆頭としたバーベキュー部隊も準備完了の16時。 では、さらなる交流へ。ということでバーベキュー。が、その前に大工たちは合同で作業場の清掃。手際がとてもいい。 かくして、大工たちはそれぞれの場所に立って、歓談の輪を作っていた。 何とか、彼らの待遇を改善したいんですよね、と呟いたYの言葉が耳に残った。 来年もやろうということで決定。花は満開なれど寒かった。 #
by KNOBEX
| 2016-04-04 16:16
| 工務店の時代
2015年 06月 04日
昨日はパラパラ雨だった。その曇天の下、田口さんに依頼した住宅点検に同行した。
▲傾斜をチェック リフォームが必要か、リノベーションしつつ増築は可能か、といった、何だかいろいろなテーマに変化する相談者は、まずは自宅の客観的な状況を把握してから考える、ということに。 ▲自撮り棒を使って そして、第三者に検査してもらいたい、という要望であったので、躊躇なく彼に依頼した。道を東西逆に走っていたとかで、30分遅刻。脚立と検査キット一式鞄を持参して登場。 まずは室内の雨漏れ等のチェック。さらに傾斜状況を計測。外部からの外壁、開口部、屋根、樋の状況など。そして、防護服に身を包み、天井裏、床下と昇り、潜りの大調査。いやー、昨日は涼しくてよかった。 ▲小屋裏点検へ ま、私は依頼者相手にお茶を飲み、田口さんの検査のやり方を見ていたのだが。 結果は、はてはて。旧38認定住宅で、こいつのリノベは結構難しい。 ▲床下点検終了 その前に簡単リフォームでいくのか、リノベでいくのかを家族でよく話し合う、ということで終了。なるほど、ここまで丁寧な解説をして、検査結果を口頭で話し、後日報告書を届ける、ということに依頼者はご満足したようだ 。 検査における満足度という課題に一歩近づいた。 #
by KNOBEX
| 2015-06-04 13:48
| 番外編
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