春夏秋冬の年4回、澤句会が開催される。場所は横浜は元町の山の上に位置する大佛次郎記念館の和室。
私はこの和室が大好きで、いつも早めに乗り込んで、畳みにごろんと横になって本を読んだりしている。
▲静謐な場所
いつも開催月日が似てしまうので、毎年発句する句も自ずから似てしまったりするが、月刊『俳句』の元編集長の今コーチのお蔭で、俳句のなんたるかが、段々理解できてきた。
今回は初めて6月、つまり先週の土曜日に開催。もはや梅雨なのか、という天気。しかし、今年は初夏もないような雰囲気なのに、そのまま梅雨入りはないよな。
さて、我が句会。技巧的な句は段々「うまいだけじゃね」などと言うようになってきたり。
ここで、俳論が飛び交う時間もとても面白い。ま、それ以外の業界話題も多いのだが。 今回は、宗匠鈍澤、松村さん、蟹澤さんは都合で欠席。
▲選句中。飲み過ぎか?
ヒルトップ博士は、ブータン旅行がたたって2週間休みなく働いたと、ビールをバンバン。肝啓さんは、肝臓が奇跡的に回復して、体調が絶好調とこの日に備え、技巧の限りを尽くし、推敲を重ねた句を提出。一人ワインを飲みつつ、テンションが高い。
栄吉棟梁は、結社支部の指導者の修正を受け入れた句を投句してきたが、コーチから「却って平凡」とご批評される。中野さんは俳句も合理な構造になっているのがとても面白い。
前回は全然選句されなかった我が句は、今回は頭に溜まって転がしていたものがうまく出た、という感じで、ま、いいかという感じ。
▲きれいな夏バラが
こうして、事前句を皆で選句して、その総括をコーチが。そして、当日の席題。今回は梅雨の走り、と短夜。うんうん唸りながら発句。というか他の話で句の頭になかなかならないのだが。
この後は例によって石川町の飲み屋で、反省会。ヒルトップ博士は疲労からか朦朧としており、いつもの元気さがない。ま、ロング缶4.5本に生ビールだもんね。でも、ひょっとすると静岡で花屋にやられたのかも。
うとうとする博士を尻目に、中野さんが肝啓にティンバーフレームの議論を。一番元気で舌を巻く。
かくして、入梅の季節となった。
SAREX専務理事(㈱オプコード研究所所長)
野辺 公一