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2011年 04月 21日
NHKの早朝番組で「あさイチ」という番組がある(らしい)。私は朝は基本的にテレビを見ないので知らないのだが、その番組ディレクターという女性からSAREXに電話での問い合わせがあった。で、私が対応することに。
来週放映するらしいのだが、今回の被災により引き渡しが2カ月遅れた家族の話を流す、という。2カ月の延期で家賃、そして家具等借りている倉庫代も含めると大変な負担になっている。そのことを中心になぜ引き渡しが遅れたか、という話にしたいようであった。 そして、何がどうして遅れたか、という話と工務店の状況などを聞きたい、というのであった。電話での対応は基本的にしたくないのだが、出てしまった以上仕方がない。 というのは、電話取材というやつは、とかく印象的な耳に残った部分だけが肥大してしまうからだ。相手が理解してくれているかどうかを一々確かめてもいられない。 2カ月引き渡しが遅れるということは施主にとっても大変だが、工務店にとっては最終工事金が3カ月遅れることを意味し、経営的にもギリギリの入金という感じの厳しい話だ。 しかも、ホンのちょっとした部品が入らないために引き渡しが不能となっているわけで、経営的にしんどくなっている工務店も多いのではないか。さらに専門特化した専門工事業者は、部材・部品についてナンボの世界だから、この間の生産調整はかなり苦しんでいるだろうな、と想像が付く。 先日開催されたジェームズ小林委員会拡大版スペシャルでも、1カ月遅れの報告がけっこうあった。お金的には2カ月遅れ。もちろん、これは各工務店の路線、仕様によってその被害の差はあるのだが。 断熱材(グラスファイバー)、構造用合板、設備機器等々。これらは基本的には5月には解消していく予定だが、大工が遊んでしまうので、仕事を作るのが工務店マネジメントとして求められた。ま、4月までは仕方ないね、と受注残を抱える我がSAREXメンバー工務店はいいのだが、そうでない工務店、ビルダーはまたまた大工を坪請け大工に追い込み、不安定な基盤を強いていくのだろうな、と思うとやるせない。 おっと電話取材はまだ続き、不足資材名とその理由などを答えていく。 「瓦メーカーなんて大繁盛でしょうね」などという誤解に対しても、産地名を言っても知らないディレクターさんに解説するのに手間がかかる。和瓦が本当の意味での危機的状況なのだ。ウハウハなんて状態にない。もう少し、ネットでも得られる情報をチェックしてから、電話してきてほしいな、といつもメディアからの取材に感じるのであった。 それにしても、ディレクターさんは、長期優良住宅や次世代省エネ基準といったことも知らないので、そういった周辺の解説もしなくてはならない。 で、最後にお互いに名乗っていないことにあちらが気付き、名前を言い、名前を聞かれた。40分以上の電話解説で、やれやれコールセンターも楽じゃないな、と感じた次第。 どんな番組なのか、どういうことがレポートされるのか、結局私は知らないままになるのだろう。 SAREX専務理事(㈱オプコード研究所所長) 野辺 公一
by knobex
| 2011-04-21 01:53
| 番外編
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