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2007年 07月 16日
まずは花屋的言い訳から
のっぴきならない事情から(by花屋延夫)、週2更新どころか、週1更新すら怪しくなってきた。頑張らんとするのだが・・・。このブログをどうか花屋が見過ごすことを祈りつつ、とまずは花屋へのお返しを。 良質な仕事を排除する法制度 先日のワークショップでは、地域に必要とされる存在とはどのようなことなのかを、高齢者、知的障碍者施設の施設長であり、私がもっとも信頼する福祉者の一人である師康晴(もろ・やすはる)さんに来ていただいてその実践をお話いただいた。 「コムスン問題の背景に何が横たわっているのか」という部分から師の話は始まった。 結論的に言えば、施設現場が如何に過酷に「良質」な介護や介助を排除する仕組みへとどんどん移動しているのかが実感される。最悪のシナリオが着々と描かれている、という危機感を感じざるを得ない。 ▲恒例化した著者サイン会 C作戦への示唆として そうした状況に対して、師はあらゆる仕組みを駆使して、利用者さんの「生活」を遅滞なく肯定的に過ごせるためにどのようなことが必要なのか、ということを実践化していく。 利用者さんが支持し、評価し、その家族も支持し評価し、さらに地域の住人も評価し、その存在によって生活に楽しみや支援を得られるような「生活の基幹施設」としてセルプ・杜は活動を展開している。 私の「拠点化C作戦」はこの師の実践からも大きな示唆を得ている。 二重に開くということ その基本は、地域に自らを開く存在となること。徹底して利用者さんの視点に立つこと。支援が必要な人の視点から活動すること。基本中の基本がおざなりにされる中で、師と師率いる職員たちは、その視点が徹底している。 それが職員たちにまで徹底できている理由は、施設内もまた開いているからである。職員が孤立したり、一人で問題を抱えない。こうした二重化された開き方は見事と言うしかない。 その師も、良質な仕事をすると(利用者さんの生活を日常として確保すること)、報酬が減るという、実に馬鹿げた介護保険の制度に苦しめられている。彼の職員たちの報酬はその活動に全く見合っていない。障碍もまた介護保険に統合化されようとしている時代の中で、師の奮戦は続く。 師のこの実践と思想はその著書『出会えてよかった 絶対の差別の解消をめざして』(言叢社)に詳しい。これは是非、「地域」をキーワードとする人々に読んでもらいたい本である。 ▲腹に溜まっている憤怒も見せずに現状を話す師康晴氏 高齢化社会の深淵 結局、今回のワークショップは、師の制度的矛盾の中でのしたたか作戦の一端を延々と開示してもらうこととなった。今後、工務店は介護問題等を避けて通ることはできない中で、どこに視点をおくのか、地域に必要とされるとは、自らを開くとはどういうことなのか、という基本を提起してもらった、と思う。 それにしても、高齢者の自殺が、単身世帯者より、複合居住者に多い、というのは高齢化社会下での家族の問題、そして介護問題の深淵を覗かせてくれる話であった。 ▲師を囲んでいつになく穏やかな懇親会だったような そういえば、流石の師も目を剥いたのが黒テルの富士山登山の話。車椅子で一漕ぎ10cmしか進まない中で7.5合目までよく登ったものだ。「このパワーを実務に」とK藤村君は言うのだが、それはそれ。「今、やれることをやる」という勢いも必要な時があるよな、と思った。 SAREX専務理事(㈱オプコード研究所所長) 野辺 公一
by KNOBEX
| 2007-07-16 22:10
| コムスン問題と介護保険制度
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