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2016年 04月 04日
SAREXメンバー4社(あすなろ建築工房、富士ソーラー、山田建設、吉田工務店)で構成される名匠家活動の一環として、4月3日は、創建舎大工8名との大工交流会。
楽しめつつも実践につながる交流会にしようということで、削ろう会的な技能交流となった。 創建舎の大工たちは揃いのユニフォームに身を包み、迫力あるメジャー集団という感じ。 一方、名匠家の大工たちも、鉋屑を薄く数ミクロンにする、ということに戸惑いを感じつつ、入念に研ぎをおこなってきたようであった。 私は、削ろう会的なものは、マニアの世界と思っていた。現代の大工の現場でこの数ミクロンの鉋屑を競うことに何程の意味があるのか、判断できずにいた。 しかし、それが腑に落ちた一日となった。 今回の大工交流会の内容を考えていた時、創建舎大工上井戸さんから、どうせなら実践的な交流をしたいという話があり、このような削ろう会的なものとなったが、彼らもよくそのことは分かっていて、しかし、それでも、こうした修練を積むことで、通常の現場での鉋使いも変わってくるのだ、ということであった。 ▲入念に研ぐ そして、削り台が4台用意され、それぞれの大工たちが、フィールドでキャッチボールを開始するかのように、削り木に鉋をかけ、刃の調整をはじめたりしていく。 そして、スタートという合図もなく、鉋屑が生まれてくる。 薄さのスコアーボードも用意される。 名匠家大工たちも、上井戸さんたちのコーチを受けて、あっ、そういことかという感じで、研ぎ、鉋かけをおこなっていく。そして徐々に力の入れ具合、刃の微調整等を行うことに熱中していくのが分かる。 用意された計測計で、15ミクロンとか.12ミクロンとかを計測して、大体の感じを共有して、それぞれの鉋掛け本番といった感じ。 削ろう会では3ミクロン以下の勝負と聞いて、名匠家大工たちは唖然。 スコアボードに12~15といった感じで書き込まれていくが、誰が審査するでもなく、計測をしてもらい再トライという感じ。一応3回のチャレンジということとなっているが、そんなことは無関係に皆集中。 競技会的にならないところがとてもいい。それではチーム戦になって、なかなか相互交流にはなりにくい。 それぞれの研ぎや、砥石や鉋台についての話に耽っている。 それは見ていてもいいものであった。 何度も削っていると、刃こぼれするので、研ぎに入る。するとその砥石を巡っての質疑応答的な会話がはじまる。 大田区という立地故に作業場を持たない創建舎の大工たちが、この削ろう会競技にのめり込んできているのが、面白い。 名匠家の4社は何れも下小屋がある。 中でも今回会場となった山田建設の作業場は、創建舎の大工たちから見れば垂涎の的であったろう。 最終的に本日の鉋屑の最薄記録5ミクロン。この鉋屑はきれいに木幅、長さ通りに薄絹のような触り心地。官能的ともいえるものであった。 これは、のめり込んじゃうな。 やはり、大工としてのアイデンティティを求める行為の一つと考えられるが(削ろう会は必ずしも大工とは限らない)、手道具に対する愛着、探求という大工としての姿勢は、顧客にもその真摯な姿が、見えていくだろうな、と感じた。 12時30分過ぎにはじめ、気付けば、シェフ大沢を筆頭としたバーベキュー部隊も準備完了の16時。 では、さらなる交流へ。ということでバーベキュー。が、その前に大工たちは合同で作業場の清掃。手際がとてもいい。 かくして、大工たちはそれぞれの場所に立って、歓談の輪を作っていた。 何とか、彼らの待遇を改善したいんですよね、と呟いたYの言葉が耳に残った。 来年もやろうということで決定。花は満開なれど寒かった。
by KNOBEX
| 2016-04-04 16:16
| 工務店の時代
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