SAREXの約款は、改訂を重ねてきたが今回抜本的に見直しにかかることにした。
考えてみたら品確法に対しての対応がベースになっているから、このことが当たり前の時代になっては見直しは必然であった。
当時はかなり意気込んで、工務店としてはハードルの高い約款にしてしまった。しかし、このハードルが今やどの工務店もがクリアしなければならないコンプライアンス条項へと変化した。この間、金融公庫は金融支援機構となり仕様書もその影響力には限界が生じてきた。さらに、住宅保証機構も単なる民間保険法人へと変化した。
SAREXの請負契約約款の改訂委員会が開催された後、いろいろな約款を参照してみた。 ベースはやはり旧四会連合の改訂版。しかし、これも住宅以外の記載も入っているので、多すぎる。発注者がきちんと読める、ということも大切だ。
そんな中で約款の対照表を作成してのチェック作業などを行った。
この作業中、物凄いというか自己都合的な、言質を一切取られないようにした(ある意味「タテッパー」工務店の見本。素晴らしい)、たった16条で構成されている約款なども偶然入手できた。しかも施工費の支払いや請求書の発行など自社入金分だけが義務的数字として出てくるという約款。
こんな杜撰な約款を使う工務店に何千万円もの請負工事を依頼する住まい手というのは、本当に命知らずというか怖いもの知らずというか。驚きです。もちろん約款が立派だけじゃ意味ないですが。
さて、2000年に基本フレームを作ったSAREXの約款の特徴は発注者と請負者のみの約款でいわゆる丙(監理者)を外しているところ(先のタテッパー、ウリッパー工務店の約款もそうだったが)。作成当時、工務店は設計施工一貫だから二者契約にしたい、ということで作成した。
しかし、今や建築士法等法的改正に対応する形が必要であり、設計と施工を分離して契約することが要請されている。そうしたことから今回は監理者を入れた形に。
さらに保証人条項をどうするか、といったことなどを考えているとついに8月が終わってしまった。
ここからは怒濤の速度で年末まで一気に流れてしまうのだろうな、などと考えながら8月最後の日。台風雲が流れ宵闇迫る夏空を眺めたのであった。
SAREX専務理事(㈱オプコード研究所所長)
野辺 公一