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2010年 09月 04日
9月2日は、家守りビジネス委員会。丸山工務店の会議室を借りる。
そのすぐそばに建替えになった因速寺がある。近角さんの設計である。定光さんの案内で見せていただく。本堂からその裏、劇場のからくりのような感じになっている。また、庫裏は全く別世界。いやはや面白いけど近角さん思いっきりやりたいことやっているな、という感じ。 ▲やっと引っ越しを終えた因速寺 あれ、ノベさん元気ゼロじゃない、と定光さんに言われてしまう。そう、とだけ。 あっと言う間に時間になったので、丸山工務店を目指す。 ▲元気な住職定光さん さて、この委員会では、どうしてもイメージがリフォーム事業に話が行きがちなのだが、ま、それも家守りの範疇だから、いろいろな事例も含めて、最初は事例紹介から。 「リノベーション」に特化している優建築工房の大坂さんから、OBに毎月送っているハガキカレンダーを持参してもらう。実にシンプル。つい余計な一言を加えたくなる部分を制御して、顧客との関係性の持続だけを考えている。 ▲優さんのシンプルはがき このハガキを毎月1,500枚。社内で印刷と宛て名を同時プリントアウトできるソフトを使って行っている、とのこと。名簿のクリーニングなども興味深いものがある。 そして、このハガキから名簿の深堀もなされる。 ▲優建築工房の大坂さんの市場対応論に集中 やっぱりな、と思ったのが優建築工房はただのリフォーム屋ではなく、リノベーション市場を単独で突き進むことができている理由だ。それは、やはりエビデンスにあった。まず、徹底したインスペクションを行う。 次いで、顧客要望を聞く。顧客要望は単純にシステムキッチンにして、といったリフォーム要望だったりするが、「それも確かに必要かもしれませんね。しかし、私たちがこのお家を検査させていただいたところ、むしろ北側の結露とカビの解消。耐力壁がここだけはどうしても足りていない、という問題の方が大きいと思います」ということで、施主案を尊重しつつインスペクションで得たエビデンスをもとに、顧客に対して別な視点からの提案も行うことがあるという。 ▲気づけば日経ビルダー編集部も(取材だけしちゃダメよ) すると、顧客案+優案=大規模改修といった需要が生まれたりする。顧客の提案を最大限実現を目指しつつ、それでもこの家にとって最も大切なことは何か、という視点を外さない、というところに優建築工房の優れた部分が見て取れる。 軸を表層の顧客ニーズでぶらさない、ということでなるほどこれなら、何故リノベーション需要を取り込めるのか、実に明確だな、と思った。 忘れるといけない。大坂さん。次回はそのエビデンスである検査報告書を開示してみてください。 こうしたバックヤードがなければ、需要を創出するなんてできるわけもない。その意味でバックヤードの広さと奥行きが家守りの質を決定する。 ▲密着の岡田さんの軸もぶれない。議論を引っ張る 次いで議論は2つに分かれる。いわば拠点化B作戦を展開しようとする岡田さんと、C作戦(それもまだ萌芽状態)のOB施主に対する家守りだ。 まずは徹底したOBとの関係性の持続のために何をするのか、ということ。 それらが、点検やメンテナンスという形で行われることが多いが、経営的にはペイしない、ということを言われる、と。何をか言わんやである。基本的にはOB施主管理こそ営業経費として見るべきもので、その営業経費として消えていくと思われたお金が、リフォーム需要などで少しリターンする、といったレベルで考えておかないと続かない。 もちろん、有料でもいいが、人件費分を回収するなんて考えると多分失敗する。むしろ、徹底した囲い込みのための経費だ、という位置づけが現在必要で、そのことが分からない経営者は、相変わらずの新築狩人型なのだ。もちろん市場がそのようになっているのならそれでもいい。しかし、多くは変化をみせつつある。 優さんのところが、ハードなエビデンスで備えをきっちとしているとすれば、丸山のエビデンスは住まい満足度アンケートだろう。こうした備え作りの時代に入ってきたな、と改めて思う。 さて、次は拠点化B作戦実例である。丸山新築OB1,300、リフォームOB700拠点に対しての啓蒙活動は当然として、その周辺10件へのポスティング。つまり、無管理住宅に対する管理工務店としての役割を占めていく、という戦略である。住宅は実に身も蓋もない事柄でも誰かに相談したくなることが多い。そうした時、管理工務店としての活動がものを言う。 つまり、無管理住宅は管理工務店にとっては最大資源。それも眠れる資源であり、これを掘削していけば、別な市場が浮かび上がってくる、と考えている。 そんなことから「家守りサービスパック」といったものをこの委員会では目指している。 次回は11 月。安易なリフォームシフトを行い、気づけば電力、設備メーカーの第3次流通になってしまてっいた、ということだけは避ける。そのためにはオリジナルなシステムと基本的なポリシーが必要なのだ、ということを確認した。 それにしても、こんなに面白い委員会を覗きに来ないなんてもったいないな、と思う。 参加者の皆さんから、終えて「一献」と誘われたが、私の顔色を見て「無理ですね」と言われた。そう、無理なのだ。だが、今回は冷房があまり強くなく、腹に力の入った声が出たような気がする。 事務所に戻ると、さつま虎(おっと悠綿君)から電話。調子悪そうですね、と。いやいや大丈夫。さつまに合宿にいくころには何とか直しますから、といった話から、合宿翌日の2時間のやりとりをどうするのか、という質問。何の準備も要りません。SAREXのジェームズや隊長たちから質問ががんがんでるはずだから、それに答えて下さい。 ジャッジはやりますから、と。 当日、さつま悠綿は空港までくるのかな。来るんだったら、私、彼の車で特別行動をお願いしたいな。現在の体力ではね。 追記・27年間使用していた同士の灰皿を割ってしまった。いかんな。 ▲さらば我が同士灰皿よ SAREX専務理事(㈱オプコード研究所所長) 野辺 公一
by knobex
| 2010-09-04 22:12
| 工務店の顧客対応を考える
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