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2012年 05月 18日
朝8時過ぎ、予定の横浜線桜木町行きに乗ろうと思っていたら、東横線への乗り換え客が階段からだーっ降りてきて、全く電車に近づくこともできなかった。こんな経験久しぶり。結局、直行は無理となり、東神奈川で乗り換えて桜木町へ。
何とか9時前に到着はいいが、目が真っ赤と教えられる。飲みすぎて目玉がブチギレということは考えられないし、何だろと思っていたが(実は結膜炎と判明)花粉症かも、などと思いつつ目薬を。 ![]() ▲パッシブスタンダードについて解説する西方さん 本日はワークショップ特別編ということで、9:30分から西方さんに「パッシブスタンダードハウスの提案」と題して講演をしてもらう。参加予定者の半分がまだ到着していないが、ま、仕方あるまい(やはり電車のトラブルがあったようだ)。 ということで少しだけ開始予定時間をズラして西方講義スタート。省エネ性能だけを高めても耐震性能等が疎かになっては住宅にはならない、ということを前提として話が進む。私のリクエストは最大市場であるⅣ地域でのパッシブスタンダードを提示してもらうこと。 この詳細については西方ブログを参照してもらうといい。 続いて日経ビルダーで住宅事件簿を「記入」している池谷さんに「住宅事件簿-これで20年保証を背負うのか」というタイトルで講演を。 ![]() ▲おどろしいまでの現実を語る池谷事件記者 最近の編集さんたちは皆Ipadを使って版下をパワーポイント(全然関係ないけど、最近読んだウィンズローの小説でパワーポイント=力点という洒落が出てきたが、なるほどと思った)同様に見せるので凄く鮮明。しかもズームも縮小もおうもがままだものな。 さて、池谷さんの話は日経ビルダーで取り上げた事例の背景を語ってくれた。札幌地裁と福岡地裁での「不法行為」を巡っての裁判事例であり、最高裁第2小法廷に持ち込まれた案件である。瑕疵担保期間10年ということが事実上さらに上積みされている、という現実を語ってくれる。築11年目で裁判を起こした住まい手の事例には皆たまらんな、という感じ。 しかし、よくよく聞くと工務店なりの初期対応の悪さがこうした原因を生んでいることも鮮明になる。さらに自身の品質管理チェックの甘さもその要因となるし、さらにさらに職人たちに求められている施工方法をきちんと理解しておいてもらう、といったことが出てくる。財産権の侵害という概念が登場した「不法行為」責任。 いろいろと気を弛めると危ない未来が待っている。ということで質問を求めたが、全く無し。極めて重い空気になっていた。さすがトップ屋池谷、空気作ってくれました。 12:40分になり昼に。13:30開始ということに。しかし、このビルには1軒しか食べ物屋がないようで、列をなしている。 面倒だが、外へ。貴族院がラーメンというので野毛の「毛沢東」を教えたけど、場所分からなかったろうな。結構好きなんだけど。 私たちは、隣のファッションビルの3階のコジャレレストランへ。いいお値段です。一番早くできそうな親子丼を頼む。なぜにこの場所で親子丼がメニューにあるのか不思議。 セットには紅茶を。 ![]() ▲今年度活動を中心的に説明 などと、のんびりはしてはいられない。時間は13:30に。 ここはのんびりくつろぐ女性対象の店のようであった。チャメに電話するとほぼ本日の參加者たちは会議室に戻っているとのこと。やばい。と焦る。 かくして、何の準備(いつものことだろうが、と言われそうだが)もせぬまま、つまり間を置くことなく、という意味だが、「SAREXの展開、工務店の戦略」と題して、今年度のSAREXでの新たな試みとその背景を説明させてもらう。 一応PPTを作ってはきたものの、発作的にコピペしたようなものだったので紙芝居にもなっていないな、と自分でも思うが、いまこれから始まることの結論めいたことをしゃべれるわけがない、と思うことに。 各種研究会と委員会計6つのプロジェクトの話を中心に進める。 終えて、岡田さんからいまの説明を聞いて家守りプロジェクトの委員会のやる気が出てきたと言われてホット。鎌田さんからはどれも重たいテーマを選んだね、と言われた。 しかし、どこかで突破すべき箇所を見つけ、ある意味での工務店的対称性を構築するために前に進まねば。 まだ日程はもちろん、參加者も募集しないないので、これも忙しく進めなければならない。ということでメンバーにやたらと募集要項が届くと思うのでよろしく。 終えると、本日のプログラムでは移動して「横浜建築巡礼」をすることになっているが、各自勝手に動いてもらうことに。これまた西方ブログが詳しく巡礼写真を載せている。 私はといえば自分を呪いましたね。ザックにかの年鑑とノートパソコンを入れて背負うと重いの何の。三浦雄一郎の再起の訓練のような塩梅。有馬先生は昨日ものともせずに背負っていたのだが・・・。 しかし、これでは巡礼どころではなく、しかも私はその殆どを見ているからいいか、と思いつつ歩いていると声が。で再び隣のランドマークタワーのホテルでお茶を。 17時になってしまい、大慌てで自宅に戻ることにした。18時から市が尾で講演会があり、それに参加予定でチケットまでいただいているので、踏ん張って出かけることに。しかし、この荷物では市が尾には行けない。で帰宅して車で市が尾に。 と建築とは無関係だが、駆け足で横浜を南北に巡礼してしまったのであった。 SAREX専務理事(㈱オプコード研究所所長) 野辺 公一 2012年 05月 18日
5月16日、17日とSAREXの総会+メンバーズサミット+懇親会+早朝からだワークショップが終わった。
この間の準備はやはり相当の手間でもある。しかし、参加されたメンバーのほんの少しでも満足感が聞こえてくると無為ではなかったな、と報われる気持ちにはなる。 例によってこの1年間の活動を殆ど全網羅した「活動年鑑」はこれまでで最厚となってしまった。しかし、参加できなかったワークショップをはじめとする一連の活動は少しも古びてはいないので、是非未参加部分には目を通していただければ、と思う。 ![]() ▲ロック魂をして本当の格闘の武器になると折り紙を付けられた年鑑 さて、16日はまず11:30からみなとみらい地区にある日石ビル24階の会議室の一隅で理事会。私も完成品をはじめて見る「年鑑」などを見つつ、本日の進行等を確認。進行役は小林稔政理事が担当に。 ![]() ▲山田代表理事のご挨拶から ![]() ▲本日最後まで司会を担当した小林稔政理事 ![]() ▲総会での各理事たちの挨拶 そして13時から総会スタート。どうもこういうのは苦手だ。まず山田代表理事から挨拶。そして議事が淡々と進む。議案承認を得て、各理事挨拶に。おっと貴雄理事が欠席ではないか。福井監査も。ま、何れにしても皆さんこの時代を乗り越える力を蓄えんとしている人たちだから、その抱負も前向き。 有馬先生も13時前にはお見えになり、そのまま総会に参加していただく形になった。 かくして総会終了。と同時に待機していた資材メンバー等が来場してくる。おいおいメンバーもいるではないか。そこで待機してちゃ駄目でしょ。 ついでメンバーズサミット。再び山田代表理事からのご挨拶。そして私からの例によっての無茶フリされた演題に戸惑ったがと有馬孝禮先生に「地域・木材・住まい・環境」と題して基調講演をいただく。 ![]() ▲講演中の有馬先生 工務店のみを対象として話をしたことはないよ、と言われていたが先生にも秘策があり、例の我田引水されてしまったラット実験結果の本当の詳細を解説され、杉の力などについて工務店コンテンツになるようなお話をいただいた。 有馬先生のお話を聞くのは初めて、というメンバーが存外多く、木材の世界と木造生産の世界には隔壁が存在していることを象徴しているようにも思えた。 基調講演その2は、これまた「ノベさんが付けたタイトル通り」ということで「リフォーム需要の掘り起こしとストック住宅管理-リフォーム市場は地域木造住宅産業のビジネスコンテンツになりうるか」という演題で(財)リフォーム・紛争処理センター部長の越海さんに。 ![]() ▲越海さんの講演 リフォームニーズの調査結果等を中心に話をされる。木造振興室長時代以来だからSAREXへは2~3年振りぐらいの登場ということになる。 成長戦略と位置づけられるリフォーム市場について調査結果のデータなどからそのニーズの潜在力を提示してくれる。 しかし、この成長戦略に位置づけられる数値的目標はもちろん越海さんとは関係なく作られていて、いくら根拠を探ってもリフォーム市場が2020年までに倍増する、というのはなかなか厳しい数字だと思う。もし倍増したとすると、職人問題や誰でもやれるリフォーム工事的なことになり、それこそ紛争の火種を生みそうだなと思えた。 最後に私の方から23年度の活動報告ということで、WBTのウェッブサイトでの紹介やワークショップの活動等の報告をして17時20分に終了。 ![]() ▲早くビールをと切羽詰まった感じか そして、このビルの最上階29階へ。 有馬先生、鎌田顧問から挨拶をいただいて、山田代表理事の乾杯の音頭で懇親会スタート。西方さんも到着していて「ノベさん、ブログ更新本当に遅い」と言われたが、それでも紹介していた映画『隣る人』を東中野ポレポレで観てから、こちらに到着したとのこと。 またまたドタキャンが発生して、料理が余ってしまった。こんなことって珍しい。大体少なめに設定して、參加者から顰蹙を買うのが常だが、その逆とは。 ![]() ▲来月、メインスピーカーに気付いたらされていたと語るテキーラスズギ 外はまだ明るく、既に晩春というか初夏というべきか、という気候に包まれて、徐々に港に帳が降りて行く。 話は尽きぬがということで、ギターさんが〆を。かくして解散。皆さん三々五々消えていく。そういえば何故か窓際に近寄らないギターさんが面白い。嫌いなんですね高いところが。失礼しました。 ![]() ▲絶景なんだけど ![]() ▲早く高層階から離脱したがっていたギターさんが〆を 「しまった年鑑が入らない」といった怨嗟の声が聞こえてくる。いやいやホントに申し訳ない。有馬先生のリュックなどまるで行商人の背荷物のように膨らんでいた。 気付くと会場に何となく残ったのが私を含めて8名。中華街に行きたいと横浜=中華街がインプットされている黒テルが言うのであった。それを却下して一番近いランドマークの70階のホテルのバーで飲む。 ![]() ▲動く歩道では私の勝ちですねと黒テル ![]() ▲横浜まで秋田からきて、秋田の冷酒をオーダーする西方里見。これがうまいと大満足 本日はジャズのトリオが生演奏をしているが、話をするには騒音にしか聞こえず、客も殆どいない時の演奏ほど寂しいものはないな、と思った。 SAREX専務理事(㈱オプコード研究所所長) 野辺 公一 2012年 05月 11日
何万語を費やしても語りきれない現実がある。しかし、何万語を費やしても語っておかなければならない世界もある。
刀川和也監督作品であるドキュメンタリー映画『隣る人』は、この相矛盾する事柄をやってのけた。 ![]() 場面は、音から始まる。生活の場、暮らしがもたらす「生活音」だ。慌ただしい朝の時間帯。子どもたちは登校の準備に忙しい。それ朝御飯の準備や歯磨きだと暮らしの音がまず直撃する。そして登校する子どもたちの足音。それを見送る「職員」たちのご近所同士の立ち話のような声。 さらに調理中の包丁の音、フライパンのジュウジュウする音、まり子さんに絵本を読んでもらいながら寝入るムッちゃんとマリナちゃんの寝床でのごぞごそした音。 このドキュメンタリー映画には挿入音楽は一切使われていない。しかし、この生活の場の音が圧倒的な背景音となって私の耳に語りかける。殆ど意識したことはなかったが、暮らしの音には安息を保証する音があるということに気付かされた。 この映画『隣る人』が映し出す場所は、児童養護施設「光の子どもの家」。何らかの理由により(この理由は鑑賞者に考えてもらいたい)養育困難な家庭(これも同様に考えてもらいたい)から、「養育施設」へと預けられた子どもたちが暮らす場所である。 しかし、どの施設でもこのような豊穣な生活の音がしているのか、いやどの家庭でもこの「光の子どもの家」のような豊穣な生活の音が奏でられているのだろうか。そうした生活音が消え去ってしまった家庭から、子どもたちは「ここで暮らす」ことによって、無意識にであろう生活が醸しだす音に優しく包まれる。いや包まねばならない存在として子どもたちは「いる」のだ。 ![]() この菅原哲男(現理事長)率いる「光の子どもの家」は、全国の児童養護施設、いや「養育」の最前線で踏ん張っている。そして踏ん張り続けることが子どもたちの未来に繋がる。 刀川監督は、8年間光の子どもの家に暮らし、ビデオを向けても刀川の前でなんの構えもしないようになるまでの時間と関係性を子どもたちと築いてきた。そのことは、画面を見れば直ぐに了解できる(彼は「光の子どもの家」ではベテランの職員のようにすら見える)。 8年間もビデオを回して入れば、偶発的に様々なエピソードに出会う。そのエピソードの一つ一つが実はもっと深い場所から生起していることを刀川は知ることになる。 光の子どもの家を俯瞰した画面は、ムッちゃんとマリナちゃんとまり子さんを中心とした部分に絞り込まれ「隣る人」とは何か、人は隣る人がなぜ必要なのかを映し出していく。そしてその喪失の意味も。 ある意味で淡々とした日常のように見える日々。しかし、途中で映し出される施設長の「業務連絡」という言葉にハッとする。そうなのだ。ここは業務対象の施設なのだ。本来は受けとめ手としての母のもとあるいは父、あるいは両親とともに過ごしているはずの子どもたちが暮らしている場なのだ、と了解せざれるを得ない。 私のお気に入りのシーンはまり子さんがムッちゃんの耳掻きをしている画面。こんな煌めくようなエピソードから無慈悲な現実を子どもたちが背負わされていることを映し出すエピソードまで、何度も暮らしとは何か、親子とは何かを問うてくる。 この映画の英語タイトルにも注目を。「Never Let Me Go」(私を離さないで)がよりこの映画の本質を示している。刀川が英語タイトルを求められたときに浮かんだのはこのタイトルだった、と語っていたが、その通りだなと思った。 間もなく公開が始まる。是非映画館に行って観て下さい。 暮らしの空間とは何かを考える手がかりにもなります。 遠方の方は自主上映会にも対応するとのことです。 SAREX専務理事(㈱オプコード研究所所長) 野辺 公一
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